「みんなで作ろう!飲み方10カ条キャンペーン」のプレゼント賞品は、個性的で美味しい関西のクラフトビール。このコーナーでは、ブリュワリーを1軒ずつ訪ねてお話をお聞きします。今回は、京都の「京都町家麦酒醸造所」さんを訪問しました。

国の登録有形文化財「堀野記念館」で作られる
京都町家生まれのクラフトビール

京都御所の堺町御門から南に延びる堺町通。町家を改装した店が並ぶこの通りに「キンシ正宗・堀野記念館」は天明元年(1781年)創業当時の趣を残したまま佇んでいます。

洛中にはかつて御所の周りに200余りもの造り酒屋がありました。
堀野記念館はそんな造り酒屋の一つ、キシン正宗の創業者、松屋久兵衛の本宅でした。明治13年(1880年)に酒造は伏見に移転しましたが、堀野記念館は当時の様子を今に伝える国の登録有形文化財として大切に残されています。

酒作りに使用されていた蔵は、今ではキンシ正宗株式会社のビール部門、京都町家麦酒醸造所になっています。

工場長でビアマイスターの三好ちづ子さんにお話を伺いました。

敷地内の井戸 “桃の井” の名水を100%使用したビール造り

1994年の酒税法改正により、それまで2,000KL以上だった製造免許の最低製造量基準が60KLあればいいことになりました。小規模の醸造が可能になったことが、造り酒屋のキシン正宗がビールの製造をはじめるきっかけになったそうです。

また、敷地内の湧き水を活用する目的もありました。
敷地内の井戸 “桃の井” から湧き出ているのは、ミネラル分を含まない軟水。かつて淡麗な切れ味の数々の名酒を生み出してきた名水です。酒造りの拠点が伏見に移り、使われなくなった “桃の井” の水を100%ビール造りに利用しているのです。

コンセプトは「京の食文化に合う麦酒」

京都の町家醸造所なので、京の食文化に合うテイストがコンセプトです。酒作りの技術をもってさらに研究を重ね、繊細な味の和食を引き立てる上品な味を目指しました。

そうしてできたのが、ケルシュタイプの「京都町家麦酒【かるおす】」。ケルシュタイプはドイツのケルン地方で作られていた上面発酵酵母を使った麦酒で、華やかな香りをもつエールビールですが、ラガービールのようなすっきり感も併せ持つのが特徴。【かるおす】は京言葉で「軽いですよ」という意味です。

「京都花街麦酒【まったり】」はコクや香りの強い個性的なアルトビールタイプ。同じ上面発酵のビールでも、飲みごたえのある濃厚な味わいが特徴です。赤い色や強い香りが花街を連想させるということでこの名前がつきました。

「京都平安麦酒【くろおす】」は名前のとおり、ロースト麦芽をふんだんに使ったドライスタウトの黒ビール。雅なイメージがある苦味と深いコクをお楽しみいただけます。

この3種の他に「京都はんなりIPA」をいれた4種が京都町家麦酒醸造所の全ラインナップです。ちなみに一般的に苦味があり濃い味のIPAですが、「京都はんなりIPA」は明るく華やかな(はんなり)味わいのIPAに仕上がっています。

観光スポットとしても、人気です

「キンシ正宗・堀野記念館」は貴重なふるい道具や酒瓶などが展示されている1階だけでなく2階の奥座敷や井戸のある中庭の見学もでき、「桃の井」の水も試飲できます。口に含むとかすかな甘みのあるまろやかな軟水をぜひお試しください。

日本酒やビールの試飲もあり、観光客にも人気のスポットになっています。京都を訪れた際は是非、記念館にお立ち寄りください。

商品ラインナップ

「みんなで作ろう!飲み方10カ条 キャンペーン」のプレゼント賞品

京都町家麦酒 
かるおす

ケルシュタイプ。非加熱処理の生ビールならではの爽やかな香りとスッキリとした酸味のバランスが良い味わいです。

京都花街麦酒 
まったり

アルトタイプ。非加熱処理の生ビールならではのコクのある味わいとまろやかな味わいが特徴の琥珀色のビールです。

京都平安麦酒 
くろおす

ドライスタウトタイプ。ロースト麦芽の深いコクとキレの良い味わいが特徴の非加熱処理の生ビールです。

キンシ正宗 堀野記念館

〒604-0811 
京都市中京区堺町通二条上ル亀屋町172

入場料:500円(試飲付き)
町家と酒造りの道具や井戸、文庫蔵が見れます。(ビール工場の見学は含まれておりません。10名以上での団体様別途ご相談ください)

キンシ正宗 企業サイト:
http://kinshimasamune.com/
オンラインショップ:
https://shop.kinshimasamune.com/