世界を変える、
新たな価値を生み出す会社は、
飲み方もイノベーティブ。

Sansan株式会社

「それさぁ、早く言ってよ」のテレビCMでおなじみのSansan株式会社が提供するのは「Sansan」「Eight」といったクラウド名刺管理サービス。「ビジネスの出会いを資産に変え、働き方を革新する」というミッションを掲げる同社は、ユニークな社内制度でも注目を集めている。今回はコミュニケーション強化の一環として活用されている「Know Me」制度について、広報の長倉紀子さんに話を伺った。

組織が大きくなるつれて、
コミュニケーションを活性化できる
制度が必要になった

Sansanにはユニークな制度がたくさんありますが、現在、いくつくらいあるのでしょうか。

長倉さん:当社の制度は「コミュニケーション強化」「業務効率向上」「スキルアップ」の大きく3つに分けられていて、すべて合わせると30くらいでしょうか。

コミュニケーション強化に代表される制度が「Know Me」ですか?

長倉さん:そうです。「Know Me」は、他部署の社員と飲みに行く場合に、会社から1人当たり最大3,000円の補助が受けられるという制度です。設立3年目で導入したのですが、今では最も多く活用されている社内制度になりました。

導入のきっかけはなんだったんですか?

長倉さん:設立3年目の頃に、ちょうど社員が30人くらいで組織らしくなってきたのですが、その一方で他部署が何をやっているのかよく理解していないというケースが見られるようになりました。そこで当時の人事担当者が、このままどんどん組織が大きくなれば、部署間の壁はもっと高くなるだろうから、なにかコミュニケーションを活性化できる制度が必要なのではないか、ということで考えたそうです。

現場の空気を察知して、スピーディーに制度に落とし込むのは柔軟性のある若い企業ならではですね。

長倉さん:そうかもしれません。とくに当社はトライ&エラーの社風ですので、社員の生産性向上に資すると思ったら早急に導入を検討しますし、導入してもいまいち機能しなかった場合は議論の上見直しを行い、廃止することもあります。スピード感はかなりありますね。

上下関係なくコミュニケーションが取れる
気軽に利用できる制度

制度はつくるだけではなく活用されて初めて効力を発揮すると思いますが、社員の方への認知や利用促進のために取り組まれたことはありますか?

長倉さん:利用はもちろん任意なんですが、会社が後押ししているという背景があれば、利用の動機付けになるので、ポータルサイトに掲載したりオフィシャル感を出すようにしています。
また、当社では社内コミュニケーションにWorkplaceという企業用SNSを使っていて、社員間のやりとりが基本的に全社にオープンになっています。もちろん個人同士でのチャットもできますが、そこで常に誰がどんなことをしているのかがわかるので、新しいプロジェクトの話で自分の知っているトピックであれば、横から「そのことならお手伝いできるかもしれません」といった感じで自由に議論に参加することもできますし、その流れで「Know Me行きましょうか」と気軽に誘うこともできるんです。

なるほど。それだとメールとは違って気負いなくコミュニケーションがとれますね。

長倉さん:そうなんです。Workplace上で一社員が自分の考えを役員や社長に直接伝えることもできますし、役員たちもそれにちゃんと答えてくれます。
あとは、制度をより多くの社員に使ってもらうために、ネーミングも重要だと考えています。「Know Me」の他に月に一度、コミュニケーションスペースにケータリングでお酒とフードが並ぶ「つまみーの」や、在宅勤務制度の「イエーイ」、出勤日振替制度の「どにーちょ」など、共通言語化しやすいようにキャッチーなネーミングを心がけています。「今度Know Me行きましょうよ」とか「今週イエーイ使います」など、社内では本当に普通の会話になっていますね。

完全に制度が浸透しているんですね。ところで、Know Meは3名までという人数制限が肝だと思うのですが、これはどのような理由からでしょうか。

長倉さん:5人を超えるとただの宴会になって、深い話になりづらいですし、4人だと2対2に分かれてしまうことがあります。それで3人ぐらいがちょうどいいのかなという感じで決まったようです。

長倉さん自身は利用されていますか?

長倉さん:私も入社した時は、そうはいってもなかなか誘いづらいんじゃないの?と思っていたんですけど、すぐに使いましたね。周りから「Know Me使いました?」とか「あの人めっちゃ面白いから誘ってみた方がいいよ」といったことを言ってもらえるので、入社して最初に使う制度が「Know Me」という人は多いと思います。あと、若手の社員が上司や役員に声をかけることも当社では珍しくないですし、上の者も気軽に受けてくれます。
私も先日、人事部の部長とKnow Meしてきました。上下関係なくコミュニケーションが取れるのがいいですよね。

オフィスだと気軽に話せないことも、お酒が介在することでコミュニケーションが円滑になりますよね。

長倉さん:そうですね。緊張もほどよくとけますし、目上の人とでもそこまで気負いなく話ができるので、やはりお酒はコミュニケーションツールとして優れていると判断しています。うちはお酒好きな社員も多いですし。

組織というよりは
同じ目標に向かうチームのような感覚

ただ、そうはいっても最近の流れとしては社内の飲み会に否定的な意見が多いですよね。その点はどう思われますか?

長倉さん:若い人が飲み会を嫌がるのは、飲みたくないのに飲まされたり、お酌させられたり、説教された上にお金を取られていいことないよねっていうことだと思うのですが、「Know Me」では行きたい人だけが行きますし、お金も一人3,000円支給されるので、ほぼ自腹を切らなくていいというのが大きいですよね。あと、なにより会社の飲み会って愚痴とか文句が多くなってしまいがちだと思うんですが、Sansanの飲み会って「ただの愚痴」はほとんどでないんですよ。もちろん真剣に仕事に向き合っているからこそ、悩みやネガティブな話がでることはありますが、それだったらこうすればいいんじゃない?といった感じで建設的な解決策が展開されるんですよね。少なくとも私が参加したKnow Meはそうでしたね。

愚痴がでない飲み会というのは珍しいですね。どうしてそういう文化が醸成されたと思いますか?

長倉さん:そうですね。当社は「ビジネスの出会いを資産に変え、働き方を革新する」というミッションを掲げているのですが、会社を大きくしようというよりも、そのミッションを1日でも早く達成しようというプロジェクト集団なんです。組織というよりは同じ目標に向かうチームのような感覚なので、愚痴や不満よりも常に今よりもよくするためにはどうすればいいか、を前向きに考える人たちばかりなんだと思います。

そのチーム力強化に「Know Me」が一役買っているし、そういう集団だからこそ「Know Me」のような制度が生まれたとも言えますね。

長倉さん:そうかもしれませんね。「Know Me」を通してお互いの仕事を理解したり、問題の解決の糸口が見えたりと具体的なアクションにつながった例もたくさんありますし、当社にとってはコストの何倍もリターンのある制度だと思います。

今後、何か新しい制度の導入は予定されていますか?

長倉さん:社内制度を設計しているメンバーは、常に現状の制度に改善点はないのか、他にこんな制度は必要なんじゃないかという議論をしてくれています。今は具体的に決まっているものはありませんが、今後も社員が増えていく中で、その時に応じて必要な社内制度の導入は検討していくと思います。

ありがとうございました。

Know Me 制度 
利用者インタビュー

回答者:Sansan 株式会社 DSOC R&D Group 研究員 ⾼橋寛治

Q:Know Me 制度について初めて聞いた時、どう思われましたか?

正直、他部署の⼈や知らない⼈を誘うのは厳しいと感じていたので、制度としては成り⽴たないのではないかと思いました。
新卒で⼊ったこともあり、仕事の経験などを話すネタも無いので、少々ネガティブな印象でした。

Q:これまでどのくらい制度を利⽤されましたか?

約 20 回ですので、40 ⼈ほどの⼈と飲みに⾏ったことになります。

Q:どういう時に利⽤されますか?

利⽤するときは 2 つパターンがあって、⼀つは全社会議や部署をまたいだイベントの際に Know Me ⾏きましょうと声をかけて、エアーKnow Me にならないように翌⽇にメッセージを送りつけます(笑)。
もう⼀つは、Eight 上で社内の⼈から名刺交換リクエストがあると、「名刺交換リクエストをどうもありがとうございます。Know Me ⾏きましょう!」とシンプルにお返事しています。
全く知らない⼈に突然連絡することはありませんが、何か絡むきっかけがあったときには積極的に利⽤しています。
ちなみに僕が参加した Know Me は Sansan 公式ブログの記事になっています。

Q:制度を利⽤して、良かったこと、変化したことなどを教えてください。

確実に知っている⼈は増えました。
何かのイベントの際に「この前の Know Me はありがとうございました」というところから会話に⼊っていけるため、いいですね。
Know Me のあと、仕事絡みで会うと、なんとなく⼈となりなどがわかり、コミュニケーションが取りやすかったです。
変化は、Know Me制度があるおかげで他部署の人を気軽に飲みにお誘いすることができる点です。

取材ご協力企業:Sansan株式会社

https://jp.corp-sansan.com/

インタビュアー:
和谷 尚美(N.plus)

米国の大学を卒業後、現地の出版社に編集者として入社。帰国後、広告代理店や制作会社を経て、2012年よりフリーランスライターとして活動。
http://nplus-w.com/